リボンの騎士 なっち編

10日の公演はフランツ役を安倍なつみが演じ、ノーマル公演ではフランツ役を演じていた石川梨華がピエール・淑女役をやっていました
なっちの演技は今まで何度も見て女優としての力を見てきているだけに結構期待してました
あのフランツ王子をどういった色に染めてくるかなぁと台本を読みながら考えてましたね
自分が感じ取ったなっちの演じたフランツ王子は『ちょっと間の抜けた感のある王子様』
台詞がカミカミだったからそう感じたわけではなく、世間知らずな王子様みたいなニュアンスが演技から感じられました、キザにカッコよく決めようとするけどどっか決まらないみたいな感じですかね
なっちはなっちなりにフランツ王子を解釈して演じていたんでしょうね、石川さんの演じたフランツとは一味違った面白みのある王子様だったかなと思います
ただ一つ気になったのは、『亜麻色の髪の乙女』に出会いはじめてひとめぼれ、初恋をしたわけですよね、その一直線な『愛の心』がちょ〜っと弱かったかなと思います、『亜麻色の髪の乙女を想う心』それが見ていて恥ずかしくなるくらいの直球で出ていれば、なお素晴らしかったのではないかなと思います


それからピエール役の石川さんですが、こちらもなかなか迫力のある演技をしてましたね、牢番の苦悩を描くのは難しかったと思いますが頑張っていたと思います。ただちょっと気になった台詞がひとつありました
「昨日までは王族だった。だが今日からは囚人だ。そのように扱う。」
王妃とサファイヤが連れてこられ、そして殺す事を牢番ピエールはどう考えているのか?自分の本心と牢番としての役目二つの揺れ動く心、そんな思いがつまった非常に単純だけど深い台詞だと思います。それがちょっと弱く感じてしまったんですよね、言葉では厳しく言っているが本当はすごく悩んでいた、そんな思いがもっと台詞と動きからでていれば良かったかなと思います


今公演で気になった事^^;
・昼公演の魔女の雑な動きがどうしても目に付く、一つ一つの動きをもっと大切に演じて歌って欲しかった
・大臣のキャラがやっぱり希薄、どんな大臣なのか見ていてよく解らなかった、場面場面での動きは良かったが深みの無い大臣に感じてしまった
・2幕6場のサファイヤの「決意」・「愛」は非常に良かった、見ていて心が動かされる素晴らしい場面になったと思う
全体的に見て「時間の経過」「城と牢屋の位置関係」この二つがあやふやな設定になっているのが気がかりでした